【この資料は2007年度のものです。 → 2006年

☆エンジョイしています短大生活☆

鹿児島県立短期大学 商経学科 経営情報専攻 中村 麻由      

〔解説〕 平成19年8月24日に第11回鹿児島県短期大学の教育シンポジウムが開催されました。以下の文章は,県立短期大学商経学科の中村麻由さんによるプレゼンテーションの内容です。
鹿児島県立短期大学学生部 

 私の短大生活はまず朝5時に始まります。短大生で朝5時に起きる人は何名どれくらいいるでしょうか。もちろん私が5時に起きるのには訳があります。私が住んでいるところは阿久根市です。皆さんご存知の通り鹿児島では薩摩半島の北の方になります。そこから毎日片道2時間15分の時間を掛けて県立短大まで通っています。そして、この長い通学時間で学んだことがあります。それは公共のマナーです。電車ではマナーや常識を学ぶことが多々あります。電車での席の譲り合いや携帯電話のマナーなど、自分では気づいていないことも他人に迷惑をかけていることは多々あるのではないでしょうか。友達との会話の声なども回りに不快感を与えないような声で話しが出来ているかなど、気配りの気持ちを持てるようになりました。このような経験はとてもプラスになっています。

  本日は私が通っている県立短大で毎日充実した生活の日々と県立短大に入るきっかけなどをご紹介させて頂きます。私が県立短大に通うことを決めたのは高校3年生始めの頃でした。私は出水商業高校出身です。出水商業高校の生徒の半分以上は就職をします。またその半分は専門学校に行きます。四年制大学、短大に行くのは全生徒の5%程度です。その中で進学を決意し、県立短大に通う決め手になったことがあります。それは私の夢が中学生の頃からキャリアウーマンになることだったからです。キャリアウーマンになるために商業高校に入り、夢を叶えようと思っていました。ですが、ただキャリアウーマンになるだけでなく私の住んでいるこの素敵な鹿児島に貢献したい、鹿児島の未来をもっと明るくしていきたい、この鹿児島をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思うようになっていきました。夢も広がり鹿児島の元気な地域社会を作ることが出来る人材になりたいと強く願うようになってからは県立短大に入り、もっと高いスキルを身に付けなければと考えるようになり、一心に受験勉強をしました。商業高校から進学することは容易なことではありません。もちろん専門的な知識は豊富ですが、普通科目はどうしても普通科の学校と比べると劣ってしまいがちです。ですが、夢を追いかける者に怖いものはないと私は思っています。努力は報われるのです。幸いにも第一志望の県立短大に合格することが出来ました。今、県立短大で学ぶことが出来ている私は恵まれています。そして進学先として四年制大学ではなく短大を選んだのにも理由があります。短大の魅力は四年制大学に比べて時間が短いことです。短大は忙しい、大変だというイメージが強いかもしれませんが、逆に私はこの短い期間というところに魅力を感じています。私はこの短い2年間で自分自身がどれだけ成長することが出来るかがこの短大生活での課題でもあり楽しみでもあります。

  私は商経学科経営情報専攻に在籍しています。経営理論と経営の現状、企業や社会の情報の分析、分析した情報を活用する技術、情報処理・コンピューターを身につける科目を学んでいます。自分が勉強したい科目を学んでいるからこそ意欲も沸き、興味をそそられる科目ばかりです。経営や企業、そして社会を学ぶことは私の夢に近づく為の一歩であり毎日が新鮮な講義ばかりです。母校には卒業生体験発表会という卒業生が在校生に実際に進学、就職して良かった事などを発表する会があるのですが、私は在校生に去年の6月に県立短大の素晴らしさをアピールしてきました。高校生の皆さんにも是非短大に進学して欲しいと思います。

  短大生活が始まりすぐに私の在籍する商経学科ではゼミ活動が始まりました。ゼミは少人数制で先生や学生同士で意見を交換し合って思考能力を高めることが出来ます。先生方との交流も深く、ゼミで工場見学に行ったり、合宿をしたりと幅広い活動を行い、活発で楽しく魅力的です。また、短大では講義だけでなくボランティア活動や社会活動、インターンシップなどに参加し実社会を知ることもできます。

 また、県立短大で私自身を大きく変える出来事がありました。それは自治会会長を引き受けることになったことです。自治会とは高校の生徒会に似たような組織ですが、全く異なる点がいくつかあります。自治会主催の行事の企画、運営を学生だけで行い、主な行事としては新入生歓迎会や体育祭、学園祭などがあります。自治会組織は毎年入学生から集める会費、同窓会の方々、振興会からの助成金、そして地域の人々の支えも大きく自治会は成り立っているのです。私が先輩方から自治会会長を引き受けて欲しいという誘いがあったのにはきっかけがあります。

  県立短大では11月中旬にある文化祭で1年次には専攻ごとに文化祭ステージ発表をしています。私は去年自分の専攻の文化祭ステージ発表の代表を務めました。3グループに分かれてダンスを踊り、全員で歌を歌うことになり、練習を本格的に始めたのは後期の授業が始まってからです。授業の空き時間や放課後等を使い練習を始めていきました。しかし、専攻ごとに行事に取り組むことは思った以上に大変でした。短大生で一人一人時間割違ったり、アルバイトがあったりとなかなか都合が合わず、高校や中学のように皆が集まって練習出来る時間は限られていたからです。実際に本番までに全員が集まって練習をした日はなかったと思います。皆と連絡を取り合ったりまとめたりすることは大変苦労しました。ですが、大変なこと以上に楽しかったことや喜びの方が多くありました。それは今まで話をしたことがなかった人とも友達になり、練習を通して友達の輪が広がったことです。高校のように集団で行動することがない中で団結しあい、一つのことをやり遂げることが出来たことは短大生活の中で貴重な思い出の一つになっています。文化祭で踊ったダンスの曲と歌った歌も絶対に忘れることがない思い出です。本番当日は皆で同じ髪型にし、同じ衣装を着て楽しくステージ発表をすることができ、皆最後は笑顔で発表を終えることが出来ました。これは皆が一つになることが出来た瞬間です。私は楽しみがあるのは辛いことを乗り越えてこそあるものだと思っています。常に毎日が楽しいということは絶対にありません。辛いことをやり遂げてこそ楽しみが倍になって返ってくるはずです。そして楽しみを見出すのも自分自身です。

  このような体験が先輩方の目に留まり誘いがあったことは何かの縁であり、会長は自分自身に課せられた使命であると思い引き受けることにしました。自分がまさか会長なんてと当初は驚きと戸惑いがありましたが、私は最初から出来ないと決め付けるのは嫌いです。出来るか出来ないかはやってみないと分からない。私が会長になると決意出来たのもこのことからです。会長を引き受け約10ヶ月が経ちますがこの間に多くのことを経験出来ました。

  県立短大には昼に通う1部と夜に通う2部があることを皆さんご存知でしょうか。この自治会の組織にも1部と2部があるのです。2部の学生と普段関わることはほとんどないのですが、自治会を通して実際に働いている方々との触れ合い、十人十色の意見、考えがあることを知ることができ、人と人の輪が広がることには喜びを感じます。人から学ぶことは多く、たくさんの人と接した分だけ自分の成長につながる、そしてたくさんのことを吸収できる、日々が勉強であり成長です。

  また、自治会では毎年恒例になっている新入生歓迎会を薩摩川内市立青年自然の家で4月下旬に行い新入生約200名が参加し、大変喜んでもらいました。11月中旬ある学園祭は自治会行事の一大イベントでもあり夏休みの今も準備に励んでいます。行事を一から企画し、準備することは大変です。ですが、先ほども述べたように大変なことを乗り越えてこそ嬉しいこと楽しいことがたくさんあります。皆が楽しそうに行事に参加してくれる時、頑張って良かったと思えます。友達や仲間と協力し、頑張ったことは忘れないものです。

 日々時間に追われることが多いですが、それも毎日が充実している証拠だと思います。楽しく短大生活を送れているのも家族、友達、仲間、教職員の方々の協力の賜物です。そして私が関わった全ての人々に感謝しています。一期一会は本当に大切です。私が身を持って体験出来ています。入学当初ただ講義受けているだけだった生活に自治会会長を務めるようになり県立短大について考え、たくさんの人々に出会い、自分自身でも成長を感じることが出来ています。私が充実した日々を送れているのは回りの方々の支えがあってこそです。もちろん講義で学ぶ新しいこともあります。ですが、机上だけの勉強が学びではないと思います。

 夢は鹿児島で働き、キャリアウーマンなること。そして鹿児島の元気な地域社会を作れることが出来る人材になることです。この夢は短大生の今でも変わりません。そして実際に働くようになってからも変わることはないと思います。私の在籍している経営情報専攻は鹿児島の元気な地域社会を作ることが出来る人材になるためのカリキュラムが整っています。経営情報専攻で学んだ経営学や企業論、社会学を活かし、おかげ様で地元の企業から就職内定も頂くことが出来ました。まだ私の夢は始まったばかりです。県立短大に進学したことを本当に良かったと感謝しています。短大生活で学び、経験したことの積み重ねで私の夢は実現出来ると思います。そして、私の短大生活は素晴らしいものであると言い切れる自信があります。それは今回の鹿児島県短期大学の教育シンポジウム、学生プレゼンテーションのテーマ「エンジョイしています短大生活」を実現できているということです。残り少ない短大生活をもっと楽しく、有意義に過ごしていきたいと思います。

 ご静聴ありがとうございました。