【この資料は2004年に作成したものです。→ 2003年】
〔解説〕 平成16年8月27日に、鹿児島県短期大学の教育を語る会・県高等学校進路指導研究協議会が主催(県教育委員会・県高等学校長協会・県内5短大が共催)で、シンポジウム「鹿児島県短期大学の教育」を開催しました。午前中には各短大生によるプレゼンテーションが行われましたが、以下の文章は、県立短期大学商経学科2年の伊達明恵さんによる県立短大での学生生活についての発言を文字化したものです。 伊達さんの県立短大での学生生活を活写しており、高校生の皆さんにもぜひ読んでいただき、県立短大への進学を考えるうえでの参考にしていただきたいので、ここに掲載します。 鹿児島県立短期大学学生部
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私が県立短大に進学したのは、高校の担任の勧めからでした。私は、県立短大に入学が決まってからも短大生活に不安ばかりが募っていました。
入学してから1年が経ちますが、そんな不安も今は笑って話せるほど、短大生活を満喫しています。
この1年半、一言で言えばとても簡単で短いものですが、私にとってはとても充実した楽しい1年半でした。この1年半で経験した事、その経験を通して何を得たのかを今日は少しお話させていただきたいと思います。
県立短大に入学して第一部商経学科で1番初めに行われたのは、霧島で行われたゼミ合宿です。商経学科は入学時からゼミがあります。ゼミに対する理解を深めると同時に、各ゼミでの親睦をはかるものでした。入学式の2日後とあって、最初は少し嫌な気持ちもありました。まだ一人も友人が出来ていなかったので、そんな中1泊2日も合宿に行くのはとても不安でした。しかし、いざ合宿が始まってみると、バスの中では同じゼミの人たちと話が弾み、2日目にはゼミの人たちとはすっかり打ち解ける事が出来ました。このゼミで友人が出来た事により、これから始まる短大生活が楽しみになってきました。またその友人を通して、友人が出来るという友情の輪というものが出来ていきました。商経学科は、入学時からゼミがあるという事で、その時から学科の結束はとても強いものがあります。授業や就職活動などに関する情報交換は、学科内でとても頻繁に行われています。友人と協力しながら過ごす短大生活はとても楽しく、いろいろな事を発見する毎日です。
夏が近づくと、今度は授業の一環として「社会活動」*が始まります。これは、学生がボランティア活動などを行うもので、今年から全学科で行われる事になりました。私は、2年連続でウォーターフロントフェスティバルの実行委員をさせていただきました。青年会議所の方々と一緒に、私たちも運営から参加させていただくものです。最初は、大人の方々ととても大きな祭りを運営していくというのは、とても難しく大変なものなんだろうと思いました。毎週のように会議を行い、運営マニュアルを作成し、何度も当日の打ち合わせを重ねていくうちに、少しずつ責任感が芽生え、私たち学生も実行委員の一人としての自覚が生まれてきました。当日は、朝早くから準備に追われ、各催事がスムーズに行われるように青年会議所の方々と協力しながら運営をしました。昨年、参加した時は何も分からず、ただ任された仕事をこなすのが精一杯でしたが、今年は少し余裕を持つ事が出来たので、参加している他の県短生の事や他の催事の事などに気を配るようにしました。私たち、ボランティアスタッフが楽しんで仕事をする事で、来てくれるお客さんも楽しんでくれるのではないかと思い、全員で笑顔をというのを心がけました。ウォーターフロント開催中の2日間、大変だと思う事もたくさんありましたが、終わった時に感じた達成感と充実感でいっぱいになりました。社会活動を通して、一つのものを作り上げていく事の大変さや、人と協力していく事の大切さを感じると同時に、自分に任された事に対しての責任感など、学内では学ぶ事の出来ない事をたくさん得る事ができました。
私は、この社会活動で得た事を学生生活でも生かす事が出来ないかと思い、自治会に入る事にしました。また高校時代、生徒会活動を経験し、その経験や失敗などを生かせればいいなと思っていました。最初は知らない人ばかりで、自分は何をすればいいのか、どうすればいいのか分かりませんでした。そんな中、4月に川内の少年自然の家で「新入生交歓会」**がありました。新入生と同じ班に入り、一緒にレクリエーションなどをしました。新入生を補佐する役割だったのですが、新入生と一緒になって楽しく過ごす事が出来ました。また、この交歓会を通して自治会としての団結力が生まれてきました。今、秋に行われる県大祭に向けて、全員で準備に取り組んでいます。しかし、なかなかうまく進まない事が多く悪戦苦闘しています。そんな中でも、みんなで励まし合い、楽しい県大祭になるように、毎週話し合いをしています。
自治会活動では、二部の自治会役員と協力して取り組んでいます***。県立短大は、社会人など仕事をしている方々が勉強する二部夜間課程があります。自治会活動では、その方々の意見がとても参考になる事があります。私たち学生と違い、社会に出ている方々は、視野も広く、たくさんの意見を持っています。時々、二部の自治会役員と話をする機会があるのですが、ためになる話ばかりです。このような機会を持てるのも、県短だけだと思います。
入学する前は、短大に関して何も分からず、不安ばかりだったのは一体なんだったのかと自分でも不思議に思うぐらい、今は充実した毎日を過ごしています。この短大生活もあと半年で終わってしまうと思うと、とても名残惜しい気持ちがします。
私は、この短大生活でたくさんの事を得る事が出来ました。毎日を一生懸命過ごす事、日々の大切さや無限にある友情。すべては自分の身近にある事に気づく事が出来ました。自分で待っているのではなく、自分からたくさんの事を見つけにいくという事が1番だと思います。短大は、高校に比べれば自由ではありますが、すべて自分の事は自分で考えなければいけなく、自分に対しての責任も大きいものがあります。しかし、だからといって受身になるのではなく、自分から楽しい事などを探しにいくというのは大事だと思います。その体験や経験が、自分の財産となります。これから先、県短に入学してくる後輩たちにも、私と同じようにたくさんの経験を通して、いろんな事を学んでもらいたいです。2年しかないからではなく、2年もあるからこそいろんな事に挑戦して欲しいと思います。
ご静聴ありがとうございました。
*・・・・「社会活動」は,「企業研修」と並んで平成7年以降,商経学科に開設されたインターンシップ型の授業科目で,「社会活動」は本文にあるような地域イヴェントや社会奉仕の活動などを企画段階から学生ボランティアとして入って,社会のさまざまな活動を企画側の視点で学ぼうとする授業科目です。平成16年から「企業研修」と並んで全学の授業科目になりました。
**・・・・「新入生交歓会」は例年4月末に行われる県立短期大学第一部・第二部自治会主催の新入生歓迎合宿です。川内少年自然の家などの施設を借りて200名近くの学生が合宿を行い、学生生活の案内や新入生の横の親交を深める取り組みを行います。
***・・・・県立短期大学第二部商経学科には、高等学校を卒業した新入生のみならず、既に社会に出て働く多くの社会人学生がいます。そのため、第二部は異年齢・異業種交流の性格を持っており、第二部の18歳の新入生のみならず、本文にあるように自治会活動を通じた第一部・第二部の交流もまた、入学者の成長に不可欠の経験の場となっています。